「翔真、お疲れ様!」

片手を可愛らしくあげてニコッと上品に微笑む桜蘭女子の美人エースが立っていた。


「うわ……なんだあの美人」
「桜蘭だ桜蘭だ」
明徳男バスの面々が顔を赤く染めながら興奮気味にその彼女を見ている。

「知り合いなんだろ?じゃあたし行くなっ!あ、見てろよ!!あたしも振り向き様のシュート決めるからさっ!!」
未茉は立ち去ると振り向いてBIG3に指差し笑いながらコートへ向かった。


「もしかして邪魔しちゃった?」

桜蘭の彼女は翔真を見上げながら、ふふっとイタズラな笑みを浮かべ舌を出した。

「うん。ちょっとね。」
「だってわざとだもーん。」
彼女は甘え慣れたように翔真の腕を引っ張る。

「一緒に見ようよ。明徳女子」

「んー。」
誘われて翔真が悩んでる横をすかさず、二人きりにはさせまいと結城と三上がその手の間を割って入り、

「久しぶり。前園さん。俺らもいるけどいい?」

「え…」
そこは気をきかせてくれるとこじゃないのか。と不服そうに彼女は膨れっ面をすると、
「ぷぷっ」と翔真は小さく笑ったのを見ると、

「もぉぉおっ翔真ってばぁ!!」

彼女は悔しそうに背中を叩いた。