「お疲れー!」
「お疲れ男子~!」
「おー女子頑張れよ~」
コートに向かう女子達とすれ違い様にちょうど更衣室の廊下で明徳男子がやって来て声を掛け合う。

「おうーっ!白石っ!!見てたかよこの俺の振り向き様のシュートをっ♪」
うかれた結城が‘見たか’と言わんばかりに未茉の肩を組み挑発してくる。

「なんだよ結城。お前後半の三分まで無得点だったろー?緊張かよ」
「うるせぇっ!!三上と翔真を立ててやってたんだよ!!」
「よく言うぜ!!」
大笑いしながら通りすぎると、


「お、翔真!お疲れ」

未茉は翔真に気づき、手を上げた。


「見てた?俺の振り向き様のシュート。」
結城と同じようなポーズをとり、笑いを誘う。

「それ俺だしっ!!」
「あはははっ」

「翔真何点取った?」
「40」
「マジかっ!100越えるじゃん!!やべぇ一試合出ないと凄い差が出るなぁ~」
「ん。未茉ちゃんに何聞いて貰おうかなぁ~。」
首に巻いたタオルを両手で持ち屈みながら未茉の顔を覗きこみながら試すように微笑む。

「えっまだまだ勝負ついてないじゃん!!」
「俺、負けないもん絶対。」
「負けるっ負けるっ!!!」
ムカついて背伸びして首に巻いてるタオルで翔真の髪をぐしゃぐしゃにして拭くと、

「あはははっやめろって。」


「翔真っ!!!」
じゃれ合いながら笑い合う二人の元へ廊下の後ろから呼ぶ声に手が止まった。