「よし、じゃ行くよ。」
「「はいっ!!」」
キャプテンの一言で気合いを入れながら大声で一同は立ち上がった。

「お、次は明徳女子か。」
「女子は結構強い方なんじゃないか?男子も今年はあのでけぇ世田中トリオで上位まで行くんじゃないか。」
試合を観に来た他校の生徒達が、ギャラリーから立ち上がる明徳女子を見ながら言った。


「あれ…、去年の全中のMVPの子じゃないか?」
「え?まさか。明徳って無名高ですよ。」
スポーツ記者達が見覚えのある未茉の姿をレンズ越しに見てざわめく。
「だよな…」

「でも男子もあの世田中トリオが明徳に入りましたしね…。」
まさか…と思い、控え室に戻ってく未茉達女子を見つめていた。




「よしっ!!男子は圧勝した!!次はお前らだっ!!いつも通りやれば充分勝てる相手だ。楽しんで来い!!」
「「はいっ!!!」」
男子の試合から戻ってきた野村監督は明徳女子の控え室で気合いを入れた。

「スタメンは初戦と同じだ。二年、前原を中心にしてく。夏が終わればこのメンバーが軸になってウィンターカップも来年のインターハイも戦う。そのつもりで覚悟して挑めっ!!」
「「はいっ!!!」」

二回戦の相手は品川女子高校。バスケでは無名高校らしく、後半からはいつものスタメンに代えるそうだ。

「白石。」

野村監督に呼ばれ振り返ると、

「遠慮せず、お前のその天才高校生級プレーを東京中に惜しみ無く見せつけてこいよ。」

「もちろん!」
未茉の高校デビュー戦は、東京新時代と言っても過言ではない。と踏んでいる野村監督は、力強く背中を押した。