「うぉおっっ!!」
「また決めたぞっ!明徳の13番!!!」
「アシストもうめぇし、シュートもすげぇな!!っつーかゴール下が神がかってる!!」
「あのゴール下のでけぇトリオ世田中の奴じゃん!!明徳に入学したのかよ!!」

観客の度肝を抜く明徳男子バスケ部は、高い壁のBIG3を起点とし、スーパールーキー翔真が大活躍でインターハイ東京予選の初戦を白星で飾った。

(東京ベスト5プレイヤーと新人王は、間違いなく翔真で決まりだ。)
持ち味の翔DUNKを決めると会場中の選手達も皆、翔真にただならぬ視線を送られるのを見て、野村監督は確かな手応えを感じていた。


「うっわ、湊キレッキレ。」
「一人次元が違いすぎるよ。」
「初戦一人で40点取ったらしいよ。」
ギャラリーからは午後から二回戦を控える明徳女子達が余裕で勝ち進める男子達の二回戦を見ていた。

「……」
隣に座るキャプテンはコートを見つめる未茉の様子を見ていると視線に気づき、
「ん?なんすか。」
「調子どう?」
「へ?ばっちりですよ!一回戦出れなかったし早く試合したいっす!!」

(いつもと同じね。気にしすぎか……ただ昨日も練習の時、シュート外してたんだよなぁ。別に普通のことなんだけど、普通じゃない人間が普通のことすると見てるこっちは違和感がありすぎる。)

明徳女子は一昨日の初戦の相手がバスケット部とは名ばかりの記念の出場校のようなもので、前原を中心とした全員二年で戦った。

もちろん結果は108対31で圧勝だった。