「じゃ俺も行こうかな。」
「だめ。翔真はもう少しいてよ。」
「悪い。」
「もー!!翔真ってば!!私絶対諦めないからねっ!!!」
聞き分け悪そうに桜蘭の彼女が渋った声をあげるも翔真は未茉の後ろ姿を追いかけ走り出し、
「早乙女、負けねーよ。」
微笑み指差しながら宣戦布告した。
「こっちもだよ。湊。」
互いに優しく微笑んで受けてたった。
「なんや早乙女、性格悪いで。湊の前で未茉と手繋いだりしてそんな奴ちゃうやろ。」
「そうかな。」
「そや。」
「一応勝負に負けたから遠慮はしたつもりだけどね。」
バスに乗り込み早乙女は窓の外の去ってく未茉と翔真を見えなくなるまで見つめていた。
ーーガゴンッ!!
「あ、あれ。」
体育館に戻ってきた後、明日の試合に向けての軽い練習だったが連続でシュートを大きく二本外した。
「あんたが外すなんて珍しいね。ドンマイ」
「うーん。」
鈴木キャプテンに肩を叩かれもう一度シュートをするも、
ーーシュッ!
ガラガラガラ……ごとん。とリングから落ちてしまった。
「あ、あれ・・?」
(初戦前、仕上がり悪い……?かも。)
(まさか・・・早乙女か湊となんかあったんじゃないでしょうね・・)
思わず心配になるキャプテンなのであった。