「キャプテンってマイクと仲いいんですね。ことあるごとにツーショット見てる気がする…」
二人を見ながら未茉がぼんやり言うと、
莉穂と静香は、「それマジで言ってんの?未茉」と突っ込んでくる。
「my sweet honey」
マイクが鈴木の腰に手を回して寄り添って紹介すると、
「マ・・・ええぇえっ!!?」
未茉は腰抜けそうになった。
「それマジリアクションか?白石。」
「普通に気づくやろ・・」
マイクや静香はその鈍さに絶句してる。
「コート以外では鈍いのよこの子。」
キャプテンがさらっと言うが……
「マジで?マイクのどこがいいの?」
「どこがって・・・失礼ね。」
人の彼氏捕まえての口の聞き方に苛つくも、
「優しくて紳士的で、面倒見よくて、一番は毎日アイラブユーって言ってくれるところかなぁ?」
頬を赤らめ嬉しそうに照れる鈴木に寄り添うマイクと二人をひきつった表情で未茉は見た。
「白石さん白石さん、顔に出てるよ。」
隣で早乙女が笑いをこらえながらツンツンしてくる。
「だってよつい・・」
「大成だ…」
「うわ、でけぇ白の巨人…」
「去年東京二位だろ。」
「すげー」
「あの女の子達見たことあるな」
マイクと大成メンバーが来た途端、好奇の目と共に会場がざわつき始め今日一番の視線が集まった。
(さすが全国クラス。去年の東京ベスト5だったかな。)
雲の上の存在に出場校の熱い視線が送られても堂々としてるその立ち振舞いに莉穂は頷くと王子女子達が入り口で集合始めたのに気づき、
「じゃ私行くね!未茉、対戦楽しみにしてる。」
「おおっ!じゃーな!」
手を振って莉穂を見送ると、マイクがキョロキョロと周りを見回す。
「そういや翔真は?」
「知らない。どっかその辺にいんじゃね?」
「いつも一緒にいるからてっきり一緒かと。珍しいな。」
「そうね。常にディフェンスして守ってる感じよね。白石を」
カップル二人がクスクス笑ってるのを見ても言ってる意味がよく理解できない未茉に早乙女が誘いの声をかけた。
「駅まで一緒に行かない?」
「うん。いいよ。」
「なんや未茉、秀才にもモテるんやな。」
静香は嫌みを大きな声で言うと、‘シッ’と早乙女は人差し指立ててウィンクした。



