「静香っ!!莉穂!!」
三人で会おうと昨日電話で約束していたので、たくさんの人でごった返す中を走り抜け、入り口の所で待っている二人に勢いよく抱きついた。
「未茉や!!!三人揃うの久しぶりやな!!」
「ほんとだな!高校入ったら全然会えねぇし!!」
「二人とも元気そうでよかった。」
「この三人で会うと中学思い出すな!このまま試合みたい!」
「ほんと。みんな違う制服が凄い違和感ね。」
「せやな。うちの高校が一番強いけどな。」
「・・あ?なんだって静香?」
未茉は思わず睨みながら静香のブレザーのネクタイで首を締める。
「痛いで!ほんま相変わらず乱暴やな。せっかくもう予選では、未茉に会えない思うて会いに来たんやで。」
「なんで?」
「未茉のブロック、王子と大崎やろ?大成とは戦えんってことや。」
「あん?ああ、大成が予選で負けるってことか。」
「なわけあるかいっ!!御愁傷様やなっ!!明徳が負けんのやっ!!」
ガルルルッと猛犬同志がおでこを擦り付けあってると、
「やめてよもう二人とも。こんなとこで恥ずかしいなぁ。」
昔から見慣れた光景だが、周囲の視線が痛すぎて莉穂は呆れながら二人を引き離す。
「どっちにしても今年の予選は荒れること間違いなしやで。」
「え?」
「中学総体の二年の時の試合覚えとるか?世田中の超絶美女エースにうちらこてんぱにやられたやないか。そいつが私立お嬢様高の桜蘭におんねん!!」
「あー…あの美人さん?」
莉穂はすぐ思い出したが未茉は全く思い出せなかった。
「確かあの美人エースにボコボコにされて敗退したこと覚えてる。」



