「ま、まだ入って二ヶ月弱であれだけの信頼と安定を与えられる一年って全国でもそういないんじゃないかな。」

「まぁ、そうでしょーけど。なんか悔しいな。」


「湊と比べても仕方ないけど。白石、あんたが真のエースにならなきゃこの予選ブロックは勝ち上がれないよ。」


「なってやる!!もちろんっ!!」
鼻息を荒くしてガッツポーズで答えた。

「よし。じゃ、予選ブロックの相手発表するから。」

「出たんですかっ!!?」



明徳男子バスケ部は、去年東京出場校64校に対して過去最高の三回戦進出止まりだった。
決勝リーグに駒を勧めることが目標だが、今年はBIG3がいるのでそれは確実だ。

64校を4ブロックに分けて各ブロックを勝ち抜いた1チームずつのみが、東京代表の全国への切符2つの椅子をかけて4チームが決勝トーナメントで戦い、上位2チームが東京代表として全国に行けるのだ。


「Cブロックか…。」

朝練が終り教室に戻ってきて予選ブロック表を見つめながら結城は呟き、三上は一校一校ネットで分析をしている。

「去年のベスト4の大成がAブロック、王子がBブロック、荒井がDブロック。決勝リーグ常連のどれも強豪高。しかも王子は全国優勝校だしな。」
「まぁ一回でも負けたら終りだから大成と王子と同じブロックに当たらないだけよかったな。特に王子。」


「え何、結城ビビってんの?」
「ビ……ビビってなんかねーよ!」

「だって自信無さげだし!だっせ!」
キタロー特製のおにぎりを食べながら指差して笑う未茉は結城の手から男子のブロック表をぴらっと取り上げ目を通す。

「男子はDか。東並高と同じブロックかぁ。」
「東並なんか目じゃねーよ。うちは。な、翔真?」
「ん?どうかな。」

「!どうかなじゃねーだろうがよっ!!!さっきおめぇーが予選リーグ行くって言っただろうがよっ!!!」
「あはははっ!行く行く。」