ダムダムダム……
目を閉じてーー意を決したようにゆっくりと目を開け、1対1をしていた結城を置き去りにし翔真は駆け出して、渾身のダンクを決めた。
ーーバンッ!!
「うおっ……!!翔ーDUNK炸裂!!」
「すっげー…気合い入ってんな!!」
朝一発目かららしくない力のこもった豪快なダンクを決めるとザワッと部員達が驚く。
「よし。行くぜ。まずは決勝リーグ!」
覚悟を決めたようにスイッチの入った翔真に、「「おうっ!」」
三年を初めとした、男バスのキャプテン達までもが大声を出し、急に光が差したようにハイタッチして一体化してる。
「なんなのかねー湊は。」
男バスのコートを見つめながら女バスのキャプテンの鈴木がやってきて汗を拭いながら、翔真の周りを嬉しそうに囲い、
「スイッチ入れるのおせーからっ!」
「こののんびりや!」と髪をクシャクシャとしたりちょっかいだしてる部員達に笑って応える姿を見て、
「実力があるからエースが勝つぞっ!って宣言したら他の部員達の自信に繋がるんだろうけど、あのゆるキャラは一歩間違えれば反感かいそうなのに、あんなに愛されるんだから凄いわ。」
鈴木の言葉に、同じ一年ルーキーとして活躍してるのに、自分とは対象的に感じた。
「あれも翔真の才能だよなぁー。」
毎日練習でも一言も言を交わさない二年の練習を見ながら未茉は自分との雲泥の差を感じた。