「あ、翔真おはよ!!」

次の日の朝、体育館の扉を開けるとギャラリーの一面窓から差し込む朝の陽射しを受けながらシュート練習している翔真の元へ、いつもと同じ元気一杯の笑顔で手を振る未茉がやって来る。

「おはよ。体調は?」
「全然っ!平気!!あの後さー、病院行ってさ薬飲んで寝たら超ー元気っ!!朝から絶好調!!」

ボール片手にVサインで笑顔を向けると、「ん。よかった。」と髪をクシャと撫でた。

「そこ、朝からいちゃつくな。」
後ろから結城と三上がやってきて、
「おーはよっ。」とハイタッチしながらボールを奪い合う。

「よかった……!元気になって…!俺がひ弱なばかりに白石の異変に気づいてやれずにごめん…」
顔色のよい未茉を見たキタローは、涙を流しながらを安心し、自分の軟弱さを呪い出す。

「こっちこそ悪かったな!お前があんなにひ弱だと知らなくってよ。」
「おい、白石それただの嫌みだろ・・」
心配してくれる人へのものの言い方に三上は、注意するも、

「いや、その通りだ。俺は白石の健康を任されてる身としてこんな軟弱じゃいけないんだ。だから俺も鍛えることにした!」
そういって筋肉増進プロティンを飲み干し、マシーンで筋トレを始めるキタロー。

「お、いいね!キタロー!!あたしもやるぜぇ!!」
隣で一緒に鍛え始める笑顔の未茉は、
「あたしがキタローの筋肉マネージャーになってやるからな!」


‘夏にはここにいないよ。’

星河匠の言葉を思い出した翔真はキタロー達と騒ぐ未茉の笑顔を見つめてた。


(翔真…?)そのどこか物思いにふける翔真に三上は気づいたが、何も声はかけなかった。