TIPOFF!! #LOVE SPRING





「彼女の才能はどこにいたって伸ばせると思いますよ。特に未茉ちゃんなら。」

「……ああ……そうか。ははっ」
反抗的に答える彼の姿を、強がりと匠は受け取り、哀れむかのように笑った。

「?」
「悪い、君には分からない世界だと思う。彼氏として嫉妬してしまうこともあるんじゃないかな。あの才能には。」

「彼氏…」
とんでもなく失礼なことを言われてるのにも気づかないくらい、何よりもその名称に意識がいき顔がにやける翔真・・・


「あの子は将来日本のバスケ界のきっと宝になるはずだ。その為にはどこの高校に出て、なんのタイトルを取ってきたのかが何よりも大事なんだ。たとえこんな高校でタイトルをとった所でなんの得にもならなければ注目もされない。」

「……」
「お遊びでバスケをやる為の才能じゃないんだ。全国から選ばれた選手に囲まれて名と伝統のある高校でスタメンを取り、制覇をして初めて認められるんだ。」

「……そうですか。」
翔真は手にしていた荷物を差し出した。

「ああ、悪いありがとう。」
納得してくれたことに満足し髪をかき上げてスッキリした表情で立ち去ろうとした時、

「匠さんは、」
「……」

「匠さんはアニキ代わりなのに未茉ちゃんの才能しか見てないんですね。」

「……何?」

「彼女はバスケが大好きです。名誉とか将来とか注目とかその為にバスケをしてるわけじゃないと思います。」

「フッ…まぁまだ中坊あがったばかりだもんな。明徳の君には少し難しい話だったかもしれない。」

悪い悪いと匠は少し笑いながら謝った。