「うそだ。やっぱり怒ってんじゃん。」
「……倒れたって聞いた時、どんだけ心配したか分かる?」
「だからごめんって。」
ポケットに手を入れベッドに腰かけて少し屈んで俯く未茉の体を翔真は自分の方へと片手で抱き寄せた。
「俺にとって女の子だから未茉ちゃんは。」
「…嫌でも分かってるっつーの…」
その胸の中、ふんわりと翔真の匂いに包まれるようだ。
心が落ち着く心地よい温度に未茉は、目を閉じて体を委ねる。
「意味分かってない。」
「分かってる!てば。」
「俺が守りたいって気持ちにさせる女の子なんだよ。」
「……?」
「そこが分かってないから分からないの。」
「分かってるってジェントルマンだろ。」
「ジェ・・?」
「困ってる人を優しく助けてくれるじゃん。」
「うーん違うな。例えば結城が貧血で倒れても俺は心配はしても抱っこはしない。」
「あははは!そりゃ絵面的に気持ち悪いだろっ!!ちょっと想像しちゃったし!」
「お、ちょっと顔色よくなった。よかったよかった。」
翔真は笑った未茉の頬を指で擦るとくすぐったそうに片目を閉じた。
「あたしは翔真が倒れても結城が倒れても全力で担ぐぜ!」
「いやいや、結城が倒れても放っといていいから俺が倒れてたらキスして目覚めさせて。」
「お前はいつから眠り姫になったんだよ・・。」
「だって未茉ちゃんに担がれてもなぁ。俺は未茉ちゃんを助けるカッコイイ男になりたいしなぁ。」
「なってるよ!」
「!」
「翔真はあたしの中で充分カッコイイ男になってるよ!」
自信満々に言い切る未茉に翔真は優しく微笑んで、目隠しするように彼女の目元を大きな片手で覆い被せて、
「何?」
ベッドの手すりに手をかけて戸惑う未茉の頭にキスを落とした。
「え、何?」
前髪に何かふわっと温かい体温は伝わったが、視界が真っ暗だったので分からず、
ゆっくり手を外されると真っ暗だった視界から翔真は立ち上がって言った。
「ジェントルマンは荷物取ってくるよ。」



