「おはよーございまぁーす!!!」

元気に勢いよく体育館の扉を開けるともうすでに二年が無言でモップでコートを磨き始め、ボール準備をしていた。

「え、やべぇ。」
(時間間違えてたか?いやいやそんなはずない。確かに13時からだから12時から掃除すれば間に合うはずだよなぁ?)

「遅れてすみません!代わります!」
二年生の先輩に声をかけモップを受け取ろうとするが、
「いいよ。うちはレギュラーチーム以外が掃除するから。」
目も合わさずフイッと冷たくいい放たれたが、無理矢理グイッと奪い取り、
「ちょっと……」

「一年のあたしがやるんで!!任せろって!!」

「……あ、そ。
じゃ私達外周走ってくるから全部キレイにしといてね。全部。」
「はいっ!」と喜んで未茉が答えるとまるでそれが合図かのように一斉にモップをその場に投げ捨て、全員の部員がさっさと外周へ行ってしまった。

「また女子バスくだらねぇことやり始めたな…」

早々と自主練を始めていた隣のコートの男子バスケ部二年の橘が呟いた。