「やべぇッ!あたしもう行かなきゃ!!」

「もう?まだ開始まであと一時間あるけど。」
三上は時間を確認するも、未茉は慌ただしくリュックに荷物を詰め込んでいる。

「女バスは一年が一時間前に行ってボールとモップやらなきゃなんないんだってよ!!中3の時はやってもらってたのに高一になると何もかもが一からだからな!!」

「あーなんかここの女バス怖そうだもんなぁ~特に二三年。」
結城の言葉もよく聞こえないくらい急いで残りのパンを一気に口に入れ水で流し込み、
「キタロー!!ごちそーさまぁ!!!じゃーねっ!」
慌ただしくバッグ持って立ち上がろうとした時、翔真に腕を掴まれ引っ張られると

「ん?」
「クリーム、ほっぺについてる」
「え、どこ?」     

「ここ」
大きな手を伸ばして指で未茉の頬についクリームを拭った。

「サンキュー♪じゃねー」
なんてことない顔して未茉は鼻歌まじりで教室を出てった。

拭き取ったクリームのついた指を意味ありげに数秒程、見つめていたがペロッと翔真は舐めた。
(なっ…!な…舐めた…!)
結城と密かにキタローまで驚いていた。