「さっ、行くか。雅代さん料理作って待ってくれてるから。」
未茉の荷物を匠は持って背中へと手を回しリードするように歩きだし、
「未茉を送ってくれてありがとう。」
BIG3にそう礼を告げ微笑むと、足を止めもう一度振り返り、
「じゃ、……あ、そうだ。」
「……?」
「明徳が決勝リーグまで勝ち上がってくるのを楽しみにしてるよ。」
余裕の笑みを浮かべて匠が三人に告げるも、端から期待などしてない感じが伝わってきて、ムカッとする結城よりも先に、
「勝つに決まってんだろ!?」
ポカッ!と未茉は匠の背中を叩き、
「今年は明徳が男女共に全国行くんだからっ!!!」
「分かった。わりぃわりぃ。」
意地悪が過ぎたな、と謝ると翔真は「いえ」と遮り、
「勝ち上がるので待ってて下さい。」
いつもの柔らかな笑顔ではなくて、高らかな新たな野望を見つけたかのように言いきった。
「……そうか、じゃ。」
それは匠も思わず一瞬動揺してしまう程のインパクトだった。
(未茉には悪いが明徳なんて東京でよくてベスト8くらいだ。王子や大成の相手でもない。だがーー)
「なんか気に入らないな。アイツ。」
「えっ何??」
すっかり冷めかけた肉まんを頬張りながら、隣の匠が翔真の態度を思いだし、ボソッと放った言葉を聞き返すも、
「アイツがお前の男なのは直感的に俺嫌だな。」
「は?!」
小さい声で結局よく聞こえなかった。



