「あはははっ!」
「笑ってんじゃねーよ翔真!!」

未茉の顔と首元の血の滲むひっかき傷に翔真は絆創膏を貼りながら‘腹いてぇ’と笑ってる。

結局学校を出たのは11時前になっていて、コンビニでおにぎりやら肉まんやらを買い込み、食べながらBIG3と自転車押しながら帰っていった。

「すっげー声だったもんな。男バスみんな思わず手も足も止まったからな。」
「俺、女が掴み合いの喧嘩してんの初めて見た。」
言いたい放題の二人に「うるせぇ!黙れッ!!」と未茉はキレると、

ーーブォッンッ!!!
「!!」
その時、四人の前に一台の二人乗りバイクの灯りが照らされこっちに向かってきたので、翔真は思わず未茉を歩道側へと守るように肩に手をやり移動させると、

「未茉!!」

「ん?」
ーーキキィッ!!
大きな音と煙をたてながら、大きなバイクが目の前の道路を塞ぐかのように停まった。

「あっ……!」

後方の座席から大きなシルエットに黒のライダース姿の男が地面に降り立ち、ヘルメットを外し髪をかきあげて微笑む姿に、

「た……匠兄ちゃん!!」

「「に……兄ちゃん!!?」」
未茉の言葉にみんなが驚いた。