「おいおい白石、そんなに食べて動けるのか・・・?」
昼にキタローが作ってくれたお弁当食べていたのに、気づくとまたパンを食べているので結城が異様な目で見てくる。

「おー!聞けよ!!キタロー(すっかりあだ名呼び)が、パン焼いてくれたんだぜ!?」
「焼・・焼くぅ!?」
「朝から調理室で発酵してくれてたらしいぜ!」
「発酵って・・・」
どんだけ本格的なんだと苦笑いをしてると、

(朝練後はおにぎりパン三個ずつ、昼はお弁当にパン二つか。よく食べる…アスリートフードメニューだな)と、キタローは遠目からまだ食べたらなそうな未茉のために明日からのメニューをメモを取り始める。

「どこがオカルトだよ。めちゃくちゃいい奴じゃん。キタロー。」
時計を見ながら足を広げてバクバクッと大口をあけ豪快にパンをかぶりつく未茉に

「なんか男みてぇー」と結城が笑うが、
「え、そう?」翔真は眉をひそめた。

「昔から男兄弟に囲まれて男みたいに育ったからな!っーか!男になりたいもん!!お前らみたいなデカイ奴とバスケして、ダンクガンガン決めてNBAに行きたいもんっ!」
パン片手に立ち上がり大きくジャンプし、ゴールに豪快にダンクしてるであろうエアーバスケをする未茉。

「ん、いいね。未茉ちゃんならいけそう。」

否定しない翔真の優しい言葉に「へへっ」と笑って時計を見てハッとする。