「覚悟して下さいね。先輩達。」

ニッと勝ち気な笑みを浮かべながら未茉はドリブルを始めるとすぐに三人に囲まれるが、

「余裕っ!!」
まずは手始めに一人で三上のいるゴール下に1対1を仕掛けシュートを放ち、あっさりとネットを揺らす。

「!!?」

(マジか・・・。自分より25センチも低い女にこんなにあっさり交わされるなんて…)
分かってはいたが、天才少女の実力をまざまざと見せつけられ、三上はショックを受けてると


「ナイシュー!」
隣のコートから翔真の嫌みな声が三上の耳にと届き、
(翔真の奴・・・。)
舌を出して笑ってる翔真を睨んだ。


「おし!もう一本!」

前原にリターンパスを出すが、ゴール下の水上にパスを出し三上にたやすくカットされてしまう。

「おい!!前原さんどこにパスしてんだよ!!」
「おい白石…」
「今、鈴木さんがスクリーンかけてあたしをフリーにさせてくれたの分かんなかったか!?」

「はぁっ!?誰に向かって口聞いてんだよ!!」

((息が合わない……!))
「こらこら、二人とも…!!」
三年達は慌てて今にも殴り合いしそうな二人を止めるも、

「だったらあんたがパス出しやすい位置まで来れば?」

「あんな前原さんのパスコースは見え見えで、あれじゃ静香や石井さんにすぐ取られるね。」
「あっ?なんだって?もう一回言ってみろよ!!大体誰に向かって口聞いてんだよ!!」

一年に言いたいこと言われ頭にきた前原は未茉の肩を強めに押す。

「いってぇなぁっ!!!何すんだよ!!」
普段は何も言い返さない未茉だが、生理もあり苛々も募り思わず歯向かってしまった。


「おい!!やめろ白石!」
先輩に楯突くなんてなに考えてるんだと慌てて三上は止めに行く。


「は?なにやんのか?一年のくせに」
「関係ないね!一年だろーが二年だろーが、勝つためなら何度でも言ってやるよ!!」
「あ?このやろ」

睨んで掴み合って押し合うと、
「「やめなさいっ!あんた達は!!!」」
キャプテンに雷を落とされ、

「あんた達がしっかりチームワーク組まないと勝てないんだからね!!!」