「「ありがとうございました!!!」」

八時になり練習は終わりの挨拶をした後、未茉は崩れるように床に尻餅ついたが、

「キャプテン…新垣さん。もう少し付き合ってくれませんか?」

一番しごかれ、もう立ち上がる気力さえないように見えたがそれでもまだやる未茉に二人は頷いた。

「いいよ。うちらも10時までは残るつもりだったし。」
「私も付き合うよ。」
そこへスタメンの三年の水上も加わり、力なく笑った未茉は頭を下げた。

「じゃ前原。あなたもよ。」

「え…私もですか?」

二年同志で別リングで自主練を始めていた二年の前原に鈴木は声をかけるといい顔はしてなかったが、渋々やってきた。



「三上!ちょっと10分だけ体貸してよ。」
「えっ……三上を…!?」

そして鈴木キャプテンは男バスに入っていって居残りしている三上を呼んできた。

「仮想、石井ってとこね。」

そのキャプテンの提案には部員のみんなが驚いた。

東京女子ナンバーワンセンターの石井は、187cmある。
191cmの三上のとんでもないブロックを交わすのは至難の技だが、このくらいの相手を想定しないとならないのが大成だ。


「面白れぇな!!三上、覚悟しろよ!」

未茉は疲れた体が蘇るようにワクワクし、笑ってジャンプする。

「三上、絶対手加減しないで。」
「はい。」

「前原もお願いね。」
「……」
ただでさえ、野村監督のきつい扱きに足腰に来て苛々も募ってるのに最後のこれが一番キツさを感じ前原は無愛想に頷いた。