「白石大丈夫か?」

休憩に入ると今日は体が重く、あまり水分補給の少ない未茉を心配し、キタローが冷たいタオルを用意し渡すと、

「はぁはぁはぁ…はぁはぁ……」
声も出ない程に息が上がっていて頷くのがやっとだった。

ティシャツも絞れる程の汗をかき、蛇口に手をかけ体を支えていた。

ピッ、とおでこで計れる体温計を用意すると、
(いつもよりも少し体温が高いな…)
コンディションデータをiPadに打ち込んでると、
(でもいつもより差し入れもよく食べてたしな…そしていつもより授業中も寝てたしな)
気になることをAIに打ち込んでいると、ある一つの項目が浮かび上がった。


「もしかして生理か?」

それを聞いていた新米斎藤が顔を真っ赤にしてずっコケると、
「きっ北!!お前はなっ・なっ・なんつーことを・・・女子に聞いてるんだっ!!!デッデッデリカシーがっ…!!」

「そう。マジつれぇ。」
だが、平然と答える未茉だった。

(生理うぜー。腹いてぇから走りづれぇし……男が羨ましい。年中同じコンディションでいられんだからな。)

「……男になりてぇー……」
そんな悔しそうに苛立つ未茉の言葉に、
「よし。じゃ明日からは鉄分とスタミナ爆発差し入れメニューを用意するから。」

「おう、頼むよ。」


「こっこっこいっらの会話は・・・」
ついていけん!!と新米は真っ赤な顔をひきつらせた。
「教師のくせに変に意識するんじゃない。女性の神秘だ。」
キリッとした表情でいい放つキタローに、
「・・・。」
固まるのであった・・・。