「浴衣ぁ!?」

「ふふー♡せっかく花火するんだしー夏を満喫しなきゃじゃないっ!!」
「いや、まだ5月だし。」

そう突っ込まれながらもママはタンスから新品の浴衣を二枚出すと莉穂は目を輝かせた。

「あ、かわいい!」
「でしょー♡ほらうちには未茉ちゃんしか女の子いないじゃない?だから可愛いの着せたくって毎年買うんだけどこの子ってばバスケばっかで浴衣も着ないんだものぉ~!!」

「やだよっ、浴衣なんて!焼き肉食うのに苦しくなるじゃんっ!!絶対イヤだっ!」
自分の部屋へ逃げようとするが、

「未茉いいじゃん。おばさんに着て見せてあげなよ。どうせ今年も着れないんじゃない?」

「え?」

「インターハイ行くんでしょ?
未茉はこれから三年間着る機会ないんだから。」

「……!」

「あ、言っておくけど、私も補欠チームでインターハイには行くからね?
ママに見せてあげよう?私も着たいし、そんで写真とろっ!ねっ?ちょっと早い夏の思い出♪」

「そうよぉー♡湊君に見せてズブズブに惚れさせちゃってぇー♡♡♡」

「「・・ズブズブって・・。」」