「うーん。また東京トップクラスのガードが相手か。」
早乙女に続き、また強力なライバルが増えたと翔真が二人を見ながらため息つくと、
「は?お前レベルが成瀬さんに敵うわけないだろ。」
「そういう駿君は散々湊君にやられっぱなしだったけどね。」
「う・・・・」
可愛い顔で辛口の莉穂からは鋭い視線と苦言が飛ぶ。
「あ!!そうだ!!待って成瀬さん!!健(たける)兄と匠(たくみ)兄にインターハイ前に帰ってくるように伝えて!」
思い出したように未茉は駆け寄ってそう告げる姿を翔真は見ていた。
「相変わらずブラコンだね。未茉ってば」
可愛らしく見えたその姿に思わず微笑む莉穂に、
「未茉ちゃんってお兄さん二人いるの?」
「ああ。違う違う。未茉の本当の兄貴は大学生よ。健さんと匠さんは未茉の幼なじみでお兄ちゃん代わりの…、まぁ、特別な人。」
何やら翔真の反応を見ながら試すように匂わす莉穂に、
「特別な人…」
「特に健さんは。」
「お前なんか足元にも及ばねぇすげぇ人だよ!!!」
妙な胸騒ぎが的中し、あからさまにショックを受けて呆然とする翔真の胸に‘はんっ!!’と二階堂は嬉しそうに肩をぶつけて喜んでるが、
「痛みも分かんないくらいショック受けてるぜ。アイツ・・・。」
反応がないのでつまらない二階堂はひきつっている。
「未茉を好きになるのは簡単でも、簡単に手に入るような女の子じゃないよ?残念ながら。」
言い慣れた忠告のように、莉穂は試すように翔真を見上げると、
「うん。そこがまたいい。」
「!」
八割程の男は、ここで躊躇するのにまるで怯まず微笑む翔真に莉穂は驚いた。



