そして次の日も、クラスの輪には入れずポツン…とお弁当を食べてる姿が目につき、やはり気になった未茉は椅子を北哲郎の席に持ってきてくっ付けた。
「!!」
驚く北哲郎だったが、こちらを見ようとはしなかった。
「すっげぇえ豪華な弁当ぉお!!!お前の母ちゃん凄くね!?」
色鮮やかで見た目にも分かる栄養バランス抜群のお弁当が未茉の目にはキラキラと輝いて見えた。
「あ、本当だ。」
翔真もお弁当と椅子を持ってきて座りその弁当を覗き込む。
「なっ!すげーよな!?羨ましいなぁ!!」
興奮気味に言うと、
「作った…」
北が初めて口を開くと、みんなざわっ…と騒ぎ始めた。
「俺が…」
「えぇ!?マジでぇ!!?」
こくりと頷き、少し顔を赤らめながら言うと、
「お前天才じゃね!?将来パティシエにでもなるの!?」
「一応…志望して栄養調理部…」
「マジか!?そしたらあたしにフルコース作ってよ!!食べんの大好きだからさっ!!」
屈託のない笑顔でそう言うと、
「…食べるか?」
まだ手をつけてないお弁当を差し出すと、
「うえぇ!?いいの!!?マジ!?いただきまぁぁあす!!!」
「やっ…やめろ!!白石っ!!!アイツが作ったもん食べるなんて呪われ…」
それを見ていた結城は大声で止めにかかるも、
遠慮なく口一杯に頬張るいい食べっぷりに北は少し嬉しそうに口元を緩めた。
「本当だ。美味しい…」
翔真も一口貰うと感動している。



