「おい、翔真。俺ら帰るぜ。」

勝ったのにまるで喜んでない結城と三上がこっちに混ざることなく睨みながら放った。

「おお!お疲れ結城三上!」

未茉は手招きするも、いつもみたいにこちらに混ざる様子もない上、勝ったのに不穏な空気を放っている。


「?おい、お前らも一緒に帰ろうぜ。」

不思議に思った未茉が誘うも、
「いや、いい。」
冷たくいい放ちなぜか二階堂に睨みをきかせているので、

「あんだよ。せっかく紹介しようと思ってたのによ。お前ら仲わりぃの?」

「コイツな、大事な関東選抜選考前にわざと試合で自分を選んで貰うために俺にファウルして怪我させてきたんだぜ。」

「はぁ?!わざとじゃねーっつてるだろうが!?」
「あれのどこがわざとじゃねっつーんだよ!?」


終わりなく言い合う二人を見て、因縁の仲なんだな。と言うことが分かると、

「分かった分かった!お前らいい加減にしろって!互いにいいライバルってことで!!」
間に入り、未茉は二人の肩を抱きながら叩きあうと、二人とも睨みあったまま

「じゃあな。」
ふん!と荒い息を吐き出しながら、結城はズカズカと大きな足音を立てて歩きだす。
三上も翔真に手を振りその後に続いていった。