王子高一年対明徳学園戦は、未茉の予想通り、96対64と大差をつけて明徳が圧勝した。

「くそぉ……マジかよ」
「つぇーな……明徳…」
「BIG3が入って勢い増した……」

試合終了の笛が吹かれて王子高の部員の何人かはまさかの敗北に項垂れるように息を切らし床に転がっていた。

前半に30点も取られ後半にはベンチに下がったルーキーの翔真を王子高のメンバーは、異様な目で見ていた。

「なんで…あんな奴が明徳にいったんだ…」



「「よっしやぁぁああっ!!」」

一年相手とはいえ、インターハイ常連校で去年優勝校相手に20点差をつけ勝てたことに明徳は、抱き合ってよろこんだ。

「王子に勝てるなんて夢のようだ…」
特に二、三年は明徳始まって以来の歴史を覆したと涙を浮かべながら、
「お前らのおかげだ!!」
キャプテンはBIG3の肩を抱き、讃えあった。



「明徳さん、いい選手ばかりで、素晴らしい試合でした!ありがとうございます。」

礼儀正しく気品溢れる顧問の一人の女性が新米斎藤に挨拶をしてくると、

「こっこちらこそいい試合をありがとうございます!!」
素敵な女性に舞い上がって顔を赤らめて、お辞儀をすると、

「一年に凄い3人が入部したって聞いてましたが、噂以上でした。今度はぜひ二三年とも試合を組ませて下さい。」

「はっはい!!またぜひっ!!あなた様のような素敵な先生に出逢えるなら…」
「は?」
「いっいっえ!!こちらの独り言です!!すぐに試合致しましょう!!それまでアイツらをみっちり鍛えておきます!!」

「・・・・。」

新米のくせに名監督風にどやる斎藤にキタローは冷ややかな視線を送り、
(よからぬ邪気を感じる…)


「つか、明徳のマネージャー怖くね?」
「ああ・・・。俺フリースローうつ度に悪寒したんだけど・・」
「マジか?!俺もレイアップ外したし・・」

「今年の明徳はマジやべぇな・・・(色んな意味で。)」
キタローの存在が一部の明徳部員の間でも噂になるのであった。