「明徳!!頑張れぇーー!!!」


莉穂に連れられ、ギャラリーに移動をした未茉は大きな声で声援を送っていると、

コートにいる翔真の耳に届くと、ギャラリーを見上げて未茉に軽く手を振った。


「あれさっき助けてくれた男子でしょ?未茉まさか…あの男子と…!!」
その親密そうなやりとりに険しい顔で莉穂は問いただすも、

「あ?翔真がなんだよ。」
「付き合っ…いや。」
相変わらず男らしく答える未茉からは色気かけらも感じなかったので、

「ないよね・・・。その調子じゃ」

(どうせあの男の子が一方的に未茉を…)
いつものパターンだな。と思いつつ、やれやれとため息つく。



「ちょっとーまた来てるよ白石さん……」
「感じ悪……わざと目立っちゃって…」
背後では応援に来た明徳の女の子や、元世田中の他校の女子達が未茉を見てヒソヒソ話す声が莉穂の耳に入り、

「高校行っても相変わらずモテるね。湊君達BIG3は。」
「ああ。しょっちゅう告白されてるぜ。」
「あのなりじゃ当然と言えば当然ね。」

(また反感を買って女の子達から一線置かれてたりとかしなきゃいいんだけど…)
莉穂の心配をよそに身を乗り出して応援する未茉を見つめていた。