「えっ…アイツ、二階堂と1対1してんのかよ…!?」

まさかのゲームに今日一番気合いの入っていた結城は二人のやり取りに睨んだ。

「知り合いか…。だよな。同じ中学校だもんな。」
言われてみればの接点に、三上は納得するもふと恐れていた事態が頭に過る。

「まさか気になる人って・・・」

「いや、違うと思う。」

なんとなく、二階堂ではない。と翔真は根拠なく否定した。




「……クソッ!!」
「ッ……」

未茉と二階堂は横一線のにらみあいだった。

ゴール下での二階堂のブロックをさせまいとする神がかったシュートを未茉は放つし、手加減してもらってるとはいえ、二階堂のゴリゴリの体を止めることできずにシュート決められ放題。


「……ちっくしょう」

アウトサイドシュート以外ほぼほぼ止められてしまってる未茉は、自分が身長が二メートルあればと悶々も苛立つも、負けるわけにはいかない。

ダムッーー!
「何!?」

相手が強ければ強い程、勝負したくなる。

(やっぱりこいつの得意なゴール下でよ!!)

負けず嫌いに火がつく未茉は、レッグスルーを仕掛け、じわりじわりと単調なドリブルのリズムを変え、相手をじらす。
左に視線を落とし、自分の背後にバウンドさせて右手に持ちかえ一気にスピードをつけて抜き去り、


「!?」

シュートを放とうとした時、

「「危ないっ!!!」」

女バスの練習ボールが未茉の足元に転がってきて

「ぅわっ……!!」
「あぶなっーー」

勢い余ってつまづきそうな体を二階堂が未茉の手を引っ張り支えようとした時、

ーーヒョイッ!と未茉のお腹に手を回して片手で翔真が持ち上げた。