「相変わらずのブラコンね。」
「うん…」
珍しくしょんぼりと肩を落とす未茉は、
「会いたかったなぁー!!全然会えてないんだぜ!?健兄とも、匠(たくみ)兄とも!!!」
足をバタつかせて駄々をこねてると、
「白石って…彼女、もしかして」
松葉杖をついた成瀬が何かに気づいたのか、話しかけると、
「ん?」
「ああ、健と俺…同部屋で写真で見たことあって。」
「えっ!!そうなの!?健兄元気!?」
「あ…はい…まぁ…」
あまりの馴れ馴れしさに思わず後ずさりをして、こちらが敬語を使ってしまう成瀬。
「じゃ、君が王子中出身の明徳の女子バスの去年の全国総体のMVPの白石未茉さん…?」
健から話を聞いていたのか、確かめるようにたずねると、
「あ、白石だー。」
「俺、YouTubeとか雑誌で見たことある。」
「本物かよ?めっちゃ可愛い」
「あの白石先輩の妹で超サラブレッドだろ…やば」
王子ベンチでは中学時代未茉を見たことがあるものや、噂を知ってる男子達がざわめきだす。
「改めましてこんにちは!宜しく!!うちの明徳も強ぇからな!!」
いつもの強気で未茉はそうベンチに挨拶すると、
「明徳が強いってよ。」
「可愛いのに笑っちゃうな。」
ぷっと鼻で笑う部員に向かって、
「おいっ!!おめぇらっ!!そんなこと言って後で恥かいても知らねぇぞ!?」
「未茉未茉・・・落ち着いて!」
食いかかる未茉を制止する莉穂に、
「明徳はめちゃくちゃ強ぇんだからよ!!」
怒りがおさまらない未茉は、殴りかかりそうなので更に女バス達が制止にかかると、
「き…気を抜くんじゃねぇ!!練習始めるぞ!!」
王子の二年のキャプテン代わりの成瀬も場を引き締めるように手を叩いて体育館に響かせた。
「お前らボコボコにしてやっからな!!」
未茉がそう睨むと、M心が擽られてしまった成瀬の顔が少し照れてしまい、
「す・・すみません!!躾がなってなくて」
先輩が平謝りを始めるのを見て、
(エリート校の威厳がねぇな・・・)
二階堂は苦笑いを浮かべた。



