「こんっちはー!!!」

元気よく大きな声で挨拶しながら、3000人クラスの観客をゆうに収容できるバスケ専用体育館を開けるとすでに王子校の部員達がウォーミングアップをしていて一斉にこっちを見た。


「こんにちは…応援の方ですか?それとも明徳のマネージャーさん?」

王子校のマネージャーと思われる可愛いらしい女の子が三人、元気一杯の未茉の登場に驚きながらも恐る恐る話しかけてくる。

「あっ、あたし明徳の……」

「未茉ぁ!?」

その時、奥のコートで自主練をしている女子の中からこっちを指差し驚いた顔で駆けてくる。

「あっ!!莉穂!!!」

「「会いたかったぁー!!!」」


ーーーーギュッ!!!

莉穂と静香(大成)は未茉の王子中時代の親友だ。
寮生活の莉穂とは卒業してから全然会えてなくて一ヶ月半ぶりの再会に思わず喜び、互いに飛び付くようにきつく抱き合う。

「莉穂ぉ~~~本当に会いたかったぜ!!」
「私だって!!未茉に超~~~会いたかった!!元気!?元気なの!?」

「もっちろん!あたしが元気ないわけないじゃん!!あれ、髪切ったショート?!」
「うん!似合う?!」
「おう!むっちゃ可愛いぜ!」

名門故なのか、暗黙の了解的な意味で一年は女子はショート、男子はみんな丸ボーズでのスタートとなるバスケ部だ。

「あー!白石だー!!元気ー?!」
「おおっ!!未茉ー!元気ぃー!?」
中学からそのまま高校に進んだバスケ部の女子も多く共に中学の総体を優勝したメンバーもいて、未茉に気づくと、懐かしそうに囲むように駆けてくる。