「到着ー!!」
バスケ界の超名門・王子学院高校の巨大な敷地に未茉は立った。
高校は去年のインターハイ全国優勝、
大学は去年のインカレも圧倒的な強さで全国優勝を果たしている。
小中は別の敷地に一貫校としてあり、高校大学は全寮制である。
インターナショナルな高校で留学生も多く在学していて、名門の名に相応しく、スポーツはもちろん偏差値も東京でも一二を争う程の高さで、俗に言うエリート校だ。
「お前、頭悪くてこの高校に進めなかったんだろ・・・?」
結城の鋭い一言にギク・・と中学までは王子中に通っていた未茉は体を震わす。
「おう・・・。小学受験は面接だったから受かったけど、高校は推薦以外受験しねぇと入れねぇからな・・・。」
父も兄貴も弟達も通っている王子だが、未茉の学力では高校には入れず・・・他校への進学を余儀なくされた。
「通いたかった?」
ふと気になった疑問を翔真は投げ掛けると、
「寮はあんま好きじゃねーし、何より勉強ついていけねぇからよ。ただ親友と離れたのは残念だけどな!!」
「親友?」
「うん!後で紹介する!さっきラインしたから来ると思う!!」
‘先行ってるねー!!’と未茉は体育館へ足早に向かってた。
「気にしすぎじゃん?翔真。好きな人がここにいるんじゃないか、なんてさ。」
三上が昨日から気になっている様子の翔真にそう話しかけると、
「うーん。でも、なんか…」
それでも腑に落ちない様子だ。
「今言ってた友達に会いたいんじゃない?」