「しかし。いよいよ明日だな。練習試合。」

怠け者の翔真はほっといて、三上は気合いを入れ直したように仕切り直すと、
「ああ。」
特別な思いがあるのか、結城も神妙な面持ちで頷くも、

「じゃ未茉ちゃん、明日見に来てよ。点取るからさ。」
未茉が来るなら頑張れると言わんばかりに誘う翔真に呆れる二人は、

「アホか!点取るの当たり前だろ!?」
「来てよ~頑張るから」
「やなこったあたしはインターハイ予選に向けて今日から死ぬ気で練習するって決めたんだから!!」

メラメラと大成へと闘志を燃やしてると、
「ちぇっ」とまた翔真はふて寝してしまう。


「ところで対戦相手はどこだ?」
「王子学院高校。」
「王子……え。」

「ん?」

「王子学院なのぉっ!!?」

未茉は思わず机から飛び降りて教室中に響き渡る大声をあげた。

「な……なんだよ急にうるせー」
「行くっ!応援いくよ!!」
「やったー練習がんばろ。」
ぱっちり目を覚ます翔真はご機嫌に目を覚ます。


「なんだそっか。王子かよ…そっかぁ!!!」

頬を赤らめ、やたら嬉しそうに笑う未茉に、
「なんか…」
見たことない彼女のそわそわ感に翔真の第六感は何かをキャッチするも、

「早くもアイツと当たるな。」
「ああ…」
結城と三上は顔を見合わせ、空気をぴりつかせ、
「おい、翔真。明日はお前次第だぜ?・・・ってうおい!!聞いてんのか!?翔真ぁ!!白石の顔ばっか見てんな!!翔真ぁぁ!!」

(んー。なんか匂うなぁ。)

耳下で怒鳴る結城の声さえも入ってこない程、翔真は未茉の浮き足だった様子が気になっていた。