「おいっ!翔真ぁー!!寝てるんなら朝練来いよなー!!」

朝練が終わり結城達と一緒に教室にやって来ると、すやすやと気持ち良さそうに席で寝ている翔真にバコッ!!と未茉はバッグを当てる。

「んー……痛い…」
まだ寝ぼけ眼の翔真は、体を少し起こすも目すら開いてない。
「翔真、朝練は強制だぞ。お前昨日も部活サボって朝練も来ないからキャプテンブチギレだぞ。」

「いや昨日疲れたからさ…眠い…」

「そりゃそうだろ。よく巨人と戦った後に早乙女ともやるよ!何やってんだか翔真は。」

‘腹へったー’と未茉は、キタローの作ってくれたおにぎりを食べながら後ろ向きに机の上に座る。

「攻撃は最大の防御だからね。」
また未茉に何か言いたげに微笑む翔真。


「そっか。お前ら昨日大成行ったのかどうだった?」
ニヤッとしながら結城は聞くが、未茉は急にマジな顔になった。

「上手かった。」

「…」
頭一つ上に出てるあの上手さを目の当たりにした未茉は、珍しく悔しさを滲ませていたので三人も思わず言葉を詰まらせた。

「ボール3秒持てないなんて初めてかってくらいの屈辱。」

「マジか?お前がか?」
‘こくん’と頷く悔しそうな未茉を見ていないようで翔真は見ていた。

「マジで気合いいれないとインターハイ予選突破なんて出来ないよ。男子も女子も。
ーーって聞いてんのかよ!!翔真ぁっ!!」

「痛い痛い… 未茉ちゃーん。」
昨日一緒にあの強さを知ったのに焦りもしないふわふわ頭の翔真を両拳でグリグリっと刺激する。