「・・アイツ。さっきよりも本気だろ・・」

まだダンクする体力まで残っていたのかよ…とマイクがタオルで汗を拭いながら、舌打ちをした。

「なんてタフなのよ。あの勝負の後に・・・1on1するなんてあんたの後輩どういう神経してんの?」
勝ったのにちっとも勝った気がせずイライラする田島は舌打ちしながら翔真と早乙女を見ていた。


「本当。何やってんだか。」

未茉も呆れながらやはり今日の翔真は変だ。と思った。



「……はぁはぁ」

(同じ東京選抜に選ばれていても、相変わらずレベルが違いすぎる。)

勝負がつくと、上がる息を押さえながら早乙女は、手も足も出なかった翔真を見上げた。

「選抜でも見たことないよ。湊のそんなムキになる顔。」
「負けたくないから。」

即答する言葉の意味を理解すると、対戦が終わってもいつものふわふわした空気ではなく、明らかにその目には剥き出し敵意が向けられていたので驚くが、早乙女も一歩も引くつもりはない。

「僕もだよ。同じ。この勝負は一歩も引くつもりはないよ。」

「おう。」

むしろ同じ女の子を強く思い続ける二人は、より深く互いをライバルとして認め握手を交わした。