「やっぱ上手いな…さすがマイクさん…」
前半よりも白熱してくプレーに腕で汗を拭う翔真はどこか嬉しそうだ。
「簡単に抜けると思うなよ。」
「思ってませんよ。」
ーーシュッ!!と一瞬の背面のノールックパスに、未茉は反応し駆け抜けるが、
「ーーッ!!またっ!」
また容赦なく激しいプレッシャーを与える二人に囲まれてしまう。
ただでさえ、目の前に強靭なフィジカルな二メートル男一人、未茉の前に立ちふさがるだけで、視界の全てが影にしかならない。
「ミスマッチ…」
その真後ろでは田島がボールを狙いながら囲む。
(手出しできねぇ…)
「おもしれぇな…」
滴る汗が溢れ落ちる中、面白そうに呟いた。
「白石が完全に封じ込まれたな…」
息を飲む部員達とは裏腹に。
「!?」
(なんだ…?)
窮地に立たされてるのにも関わらず、どこか楽しんでる未茉の表情に、一瞬マイクが怯んでしまった。
ーー大丈夫。ーー
残り一分半ーー。
大成ボールを2回奪われてしまい、36対31で負けている未茉達だが、翔真の“大丈夫。”が伝わってくるような気がした。
「お前なら取られても取るだろ!?翔真!!」
そう大声を張り上げ、一瞬のマイクを惑わすフェイクを視線と手で入れると、その大きな手をかするものの…
「もちろん!!」
背後の田島へと下がりステップを踏み、大きく外へとボールを出した時、
「うまい!!交わしやがった!!!」
部員達は興奮気味に身を乗りだしボールの行方を目で追う。
次の瞬間、翔真が高くジャンプし、戻ってきたマイクを交わして、片手で持ち変えてシュートに見せかけ未茉へリターンパスが通った。
「3ポイントシュートかよ!!?……はぁはぁ」
すぐ様スリーポイントラインへと走り、未茉は軽々と驚く大成二人の視線を振り払い、確実に決めた。
「いっよっしゃぁあっ!!」
未茉は‘ナイスアシスト!’と言って翔真にタッチすると、悔しそうなマイクと目が合い、
「昨日の早乙女のディフェンスに比べたらお前のディフェンスは楽勝だぜ。」
嫌みのような誉め言葉を投げ、未茉はコート外の早乙女にピースをすると、彼も嬉しそうに答えた。



