「そろそろお遊びは終わりかな?」
「……!石井さん」
後半戦が開始すると練習試合では明徳を苦しめたの大成女子のセンターの石井が静香の元へやって来て試合を見つめていった。
「プライドの固まりのあの二人は、どんな手を使ってでも勝ちにこだわるに決まってる。ほら。」
「二人がかり……!!」
未茉に容赦なく激しい当たりで全国プレーヤーマイクと田島に囲まれてディフェンスされれば簡単にボールを取られる。
ーーダムッ……!
「ちっくしょう!!あの野郎ぉぉぉっ!!!」
苛立つ未茉をよそに、ゴール下でマイクは翔真を交わしフックシュートを放たれ、鮮やかに沈めた。
「アイツ…!!でっけぇー図体のわりに、すっげー綺麗なシュート決めてくんな。」
その見た目からは想像もつかない、手首のスナップを効かせた繊細なタッチのシュートを決めてくるマイクに未茉は目を丸くして驚く。
「そうだよな。見た目外人の二メートルがフィジカルをいかしてガンガンダンク決めてくると思いきや、アウトサイドも得意だし、マイクさんの得意プレーは意外にも、あの高さをいかしたフックシュートなんだよな。」
初めて見る人には驚かれる大成の部員達がそのギャップに改めて頷いた。



