ーーピーーッ!!
「前半終了!!」

19対18。
勝負は競るものの、未茉達が一点差で勝っていた。


「田島さん達…手抜いてるわけじゃないよな…?」

「そう見えてしまうくらい、あの明徳の二人相当うまいよ…ゴール下もマイクさんとあんなにやりあえるなんて、同世代のスターとはいえ、さすが湊だよ…」
全国トップクラスにまさかの攻防戦を繰り広げられる大成部員達は、ベンチに座る四人を見ながら息を飲んだ。


「ぷっ、はぁ~~~!!超ー楽しいッ!!」

未茉は床に転がるように座り大きな口をあけて笑って隣に座る翔真とタッチする。

「アリウーヴとか翔真とチーム組むとやりたかったこと叶えてくれるから!!」

生き生きとした幸せそうなその笑顔に、微笑む翔真はタオルを彼女の頭に乗せて額の汗をごしごしと拭いてあげると、

「くすぐったいよ!バカッ!」
「あははっ」

二人の前にやって来た静香は買ってきたスポーツ飲料を差し出した。
「試合中やで、しかも敵のコートで何を見せつけとんねん。」

「あ、静香サンキュー!」
「ありがとう。」
受けとる翔真を静香はジッと見て呟いた。

「あんたが女やったらよかったのにな。」