「未茉ちゃん、おはよ。起きて。」
熟睡する未茉の顔を覗きこむようにサラッとした前髪をおでこを撫であげると、
「ん~~~」少し気づくも眠気が強く瞼が開かない。
ため息ついた翔真は窓に手をあて、体勢を更に低く屈ませ耳元で名前を呼び、起こしてると、
「おいおい誰だよ白石が湊に振られただの言った奴・・」
「朝からなんて甘いんだ・・」
男子達はその光景に真っ赤になり口を開けながら眺め、
「椎名さんと付き合ってんの嘘だったわけ?」「昨日の席替えといい結局元サヤなわけ?うざ」
不満そうに言う女子もいれば、
「やー本当にカッコいいよ湊君。私もあんなに甘く起こされたい……♡」と目がハートになる女子もいる。
「すっかりうちのクラスの名物カップルだな・・・」
色々めんどくさがりながらも結城はやれやれ、と肘をつく。
「ん~~~………」
ようやく半分目を開けるも、
「悪い、もうちょい寝かして昨日あんな寝てないんだ……」
またカクッと体勢が崩れ眠りにつくも、今日の翔真は甘やかさなかった。
「だめ。着替えないと」
「着替え~~?ん~~ないんだよ。昨日家帰ってないから。」
「「・・・・!!!」」
BIG3は一瞬固まったが、
「起きて未茉ちゃん。なんで帰ってないの?昨日椎名さんちにお見舞いに行ったんじゃないの?」
お見舞いに行ったはずが他校のましてや、ライバル高のジャージを着てお泊まりで帰ってくる。
その信じがたい行動に容赦ない翔真の尋問に体を無理矢理おこさせられ、グラグラする頭を支えさせられる。
「んも~~~寝かしてってんじゃん!!バカっ!!!」
未茉はキレながら両目を擦り苛々しながら睨むと、
「「…なんて贅沢な女なんだ」」
と逆にクラス中の女子の睨みが突き刺さった。



