「ぐう……」

次の日、未茉は教室に来るなりイビキをかきながら朝のチャイムがなるまでひたすら寝ていた。

「んあ?白石!朝練サボって居眠りこきやがって。起きろっ!」

女子は朝練ないのでサボりではないが、朝練を欠かしたことのなかった未茉が来てなかったので、結城にはサボりに思えた。

「ん?お前なんで大成校のジャージ着てるんだ?」

未茉の着ているジャージは、大きく女子の色もデザインも明らかに違うし、バックネームのローマ字を読み上げると

「サオトメ……?はぁ!?早乙女の!?」

「大成の早乙女ってまさか…」
すぐにピンと来た三上だったが、


「いや、問題はそこじゃない。」

朝練が終わり、片手で持っていたリュックを音を立てて机に置く翔真は、朝なのに珍しくシャキッとしながら言い切る。

「おーそんな澄ましたいつもの顔してるけど、超ーキレてんだなこりゃ」
露骨に嫉妬心を露にする翔真の表情に結城は面白そうに三上と顔を見合わせた。