「あははっ。朝から凄いサービス。明徳来てよかったなぁ~」
翔真は顔をくしゃっとさせて笑った。
マシュマロみたいにふわふわっとした柔らかく甘いな空気感を放っていて、目鼻立ちもしっかりバランスよく整っているも、色素が薄いのか目の色や髪も太陽の光に当たると栗色の塩顔だ。
長身なのに甘く可愛らしいマスクに優しい口調だが、男っぽい妙な色気も合わせ持っている。
(ボール持ってる時はあんな機敏に動くのに、普段は空気抜けたみたいにオンオフはっきりした独自の世界持ってそうで変わってそうな奴。)
それが未茉の翔真の第一印象だった。
「ちなみに翔真は、浪人してないよ。一年だし。」
隣に座ってた結城が話しかけてきた。
「おおっ!!?お前もでっかいな!!あれ、お前も確か男バスじゃね?!」
「覚えてねぇのかよ・・こっちは初日でお前のこと覚えたっーのに。」
チッと舌打ちしながら肘をつき睨まれたので、
「覚えてるって!!あー…確か伊藤!!」
「全ッ然ッちげぇっ!!」
「あーわりぃわりぃ佐藤だった!!」
「適当に当たりそうな名前言ってんじゃねぇよっ!!!結城だよ!!結城達也!!」
「もちろん知ってたぜ!結城!」
「ぜってぇ嘘だろが!!」
「ぷっ…!!あはははっ」
未茉は歯を見せて笑うと、翔真もそのやりとりにお腹を抱えて笑い出す。
「ちなみに俺は三上京介。俺と結城は192センチ。この二人と同中でバスケ部。宜しく白石。」
この流れで結城の後ろに座る三上が簡潔に自己紹介をすると、
「おおっ!お前もデカイな!!」
「浪人はしてないよ。」
「あははっ!!お前は頭良さそうだもんな!」
「お前はって・・・」
集団で固まって様子を伺ってる女子達とは違って、気さくに明るく堂々と飾らない笑顔の未茉を見て、
((可愛いな……あの子))
クラスの男子達は視線を送りそわそわし始めていた。