今日は部活終わって自主練をしないで椎名の家に未茉は一人でお見舞いにやって来た。
だが寝てるとのことだったので家の人にお見舞いにゼリーと休んでた分のプリントを預けて挨拶して出てきた。

駅までの帰り道、バスケゴールのある公園を発見すると足を止めた。

「ちょっとやってくかな!」
ベンチにバッグを放り投げてバスケットボールを取り出し、ドリブルをし始めた。


「……はぁはぁ」

その公園の通りをランニングして通りかかった大成高校のジャージを着た男の子が通り、

シュッパッ……

ターンするように軽やかに回るドリブルでシュートを決めた未茉に気づき、足を止めて見てると、


「白石さん。」

そこへ一人の女の子が遣ってきて、その子を白石と呼ぶ声にその男は確信を持ったが、スッと木の影に身を潜めた。


「あ、椎名さん!」
探すように公園にやって来た椎名に未茉は驚いた。

「やっぱりここだと思った…!さっきお見舞いに来てくれたって聞いて…」
バスケゴールを見上げてもう大量の汗を流す未茉を呆れたような顔で見た。

「寝てなくて具合大丈夫なのか?」
「へーき。まぁ精神的なもの。」
少し寒そうにベンチに座る椎名に腰に巻いていた上着を未茉は渡すと、

「… 白石さんのこーゆーの計算じゃないんだもんね。」
「は?!計算?」
「あたしは男が見てる前でしかこういう優しい振る舞いできないから、ふとした時に振る舞いにボロがでるのよね。」

「ん?いいじゃん!男によく思われたいって気持ち別に悪かねぇと思うよ?」
あまり深く意味を分かってない未茉は、軽く答えると椎名も軽く頷いた。