信頼してるとはいえ、女の子や家族や幼なじみとするキスとはまた違うんじゃないか?と疑問が出てきたが、


「じゃ10秒待ちます。」

キスを強要する澄ました顔の翔真は目まで閉じて待ち始めてしまった。


「あ・・?勝手に…」


(でも外人は友達同士でも普通にキスするか…確かにコイツ日本人っぽくないもんな。髪茶色いし、ハーフのマイクの友達だしよ。)←関係ない。

だからこんな気楽に言えんのか…と納得するも、

(普段マシュマロみたいにふわふわした緩い空気をかもちだすけど、意外と妙なとこで強引なとこあるよな。
あたしの体なんて簡単に持ち上げられるくらいデカイし、力持ちだし、触れると胸は固いし逞しいし、

いつもニコニコしてのんびりおっとりと笑ってるし、体に似合わず甘めのベビーフェイスだからか、あんまり男気をかんじねぇけど、よくよく見ると髭も生えてるし、輪郭と喉仏も一応出てるし、

色白で色素薄い顔だけど、整った二重は目を閉じても、まつ毛長くてなんかキレイだしな…)



「30秒経ったよもー。」

なんて見てたら痺れをきらし眉を下げた翔真がパチッと目をあけると、

「ぉわっ!!」と考え込んでいた未茉はびっくりして真っ赤になり固まる。

「え……」
(顔赤い……)
それは翔真にとって意外すぎるというか、初めて見る未茉の女としての反応だった。

(男として思われてないのかと思ってたな。)
今まで散々どんなに至近距離でも触れていてもいつもと同じ笑顔で交わされ続けていたからだった。