さっさと掃除終わらせて部活に行こう。
別々に。

爽快感に満ちた区切りに、すっきりとした表情を浮かべた未茉は、モップを拾い無言で掃除を再開しようとした時、


「未茉ちゃんと友達辞めるの嫌だから椎名さんと付き合うの辞める。俺。」

「じゃー俺もあの女共と仲良くつるむの辞めるか。」


「……は?」
何いってんだコイツら。という顔で二人を見て、

「……てか超ー見損なったぜお前ら。ちょっと友達に絶縁宣言されたからってその程度の気持ちで翔真は椎名さんと付き合ってたのかよ。」

色んなワケわかんない怒りが入り交じった感情は頂点に達し、翔真の胸のティシャツを思わず引っ張りながら言った。


「だったら心底よかった。友達辞めて。」

睨みながら言った時、ーーぺんっ!と後ろから結城に頭を叩かれ、


「冗談だ、バカ。いい加減気づけ。」

「あぁっ?!」
振り向くと翔真は笑いながら引っ張ってたTシャツの手を優しくギュッと握って、

未茉と同じ目線に来る高さまで屈めて覗きこむように落ち着かせるように髪を撫でて口を開いた。

「椎名さんとは付き合ってない。確かに告白されたけど断ったし、結城もあの子達とは付き合う気もないよ。」

「えっ?!!」

「つーか俺は他校に彼女いるし。あんな女達と比べ物にならないくらいのいい女が。」

「えっ?!!」
二度驚いた後、「あ、俺は彼女いないよ。」と翔真も一応言っとく。

「うーん。さてどこで一体そうなったのやら。」
翔真は混乱する未茉の頭を撫でながら、のんびりいつもの穏やかな空気で首を傾げる。