「そもそも、あたし告白されたりとか遊びに誘われたりする時いつも思うんだけどよ、話したこともなければあたしのことよく知らないのにってどこをどうみてそう思うんだろってよ。」

「うん…?」
二人は未茉の言いたいことの道筋が分からなくなり更に首を傾げる。

「BIG3のいいとこはあたしがよく知ってる!なのにみんなただうわべだけで好きになって、これから知るとか知りたいとか、紹介してとか協力してとかなんかもうムカつく!!!っーか面倒くせぇ」

未茉は顔を歪め怒りに満ちた真っ赤な顔で拳を震わせながら言った。

「でも本当は、こんな面倒なこと嫌だって言えずに引き受けた自分が一番ムカつく!!女友達できなくてどこか焦ってた!!」

ーーガランッ!!とモップに当たるように床に投げつけた。

「あたし、いくら大好きなお前らの為とはいえ、気の合わない、空気読まないとならない女達と付き合ってたり仲良くするお前らと一緒につるめない。」


「「……」」

「だから二人には悪いけど、もう今までのように仲良くできない。友達でいるの無理だごめん。」

泣くでも笑うでもなく未茉は二人の目を真っ直ぐ見て言った。


「俺だって無理だ。わりーけど。」
結城は少しキレたように冷たく言い放った。

シーーンッと静まり返ってしまった三人きりの教室にチャイムの音が鳴り響いた後、

「俺も無理だ。」

夕日の差し込む窓に腰かけて言った翔真の横顔が滲んで見えた。

「おう。あたしもここは曲げたくないから。」

明徳にきてせっかくできた大事な友達失うのに、不思議と悲しくも辛くもない。気を使い合わなきゃならない関係の方がよっぽど嫌いだった。