「はい~じゃー次、女子中入れー!!」
あっという間に男子は席が決まったのか、次は男子が廊下に出されて、女子が教室に入ってく。


「俺、白石の隣がいいなぁー。どこ座ってんのかな…」
「え、ずりぃそれなら俺だって。あードキドキするー」
廊下で待つ男子達の声が壁に寄りかかって座る翔真の耳に届き、見上げると

「な…なんだよ湊。お前椎名と付き合ってるんだろ?」
「そーだよ。あっちもこっちもはねーだろ。俺だって入学した時から白石のこと狙ってたのに湊が独占するから。」

「俺、椎名さんと付き合ってないよ。」

「えっ、女子達が噂してたぞ。翔真が白石を振って椎名と付き合ってるって。」
「だから白石があんなに怒ってんだって」

「どこでどう拗れたんだよ。それ。事実じゃないよ。」
たまらず三上が間に入り、否定するも、信じがたい顔で男達は見渡す。

「ん?だとしたらなんで俺までキレられなきゃなんねーだよ。」
隣で聞いていた結城が意味わかんねーとブツブツと独り言を吐いてる。


「えーっどこにするぅー?」

「やっぱりBIG3か、サッカー部の山下君の隣がいーなぁ。」
「でも湊君は椎名さんの隣っしょ。」
「そっかー残念」

女の子達が男子達がどこに座るのか、予想しながらきゃぁきゃあと机の回りを行ったり来たりしている。

「窓側がいい!絶対窓側!!」

未茉は悩むことなく、寝れる左窓側の後ろの自分の席だった場所に座ると、いつの間にか体を右斜め後ろにして座る癖のついた自分に気づいた。

「うっ!!ここに座るなんて翔真達と一緒がいいってるみたいじゃん…」

絶対結城に言われるっ!!と我に返り、勢いよく席を立ち仕方なく寝れそうな廊下側の一番後ろの席に移動した。