「お前のせいで怒られたじゃねーか。」
「はぁ?結城のせいだろ結城の!」
怒られても尚、小声で睨みあう二人。
「えー欠席者は椎名が休みだな。」
出席を取る斎藤の言葉に、未茉は無人の椎名の席を見た。
(次の日も休むなんて相当具合悪かったんだ…班長なのに置いてきぼりにしてあたしは最低だな。来たら謝ろう。いやお見舞いに行くべきかな。)
「「えーっ!」」
「「いーねっ!」」
もやもやしながら色々考えてると担任の提案にクラスのみんなが嬉しそうにはしゃぐ声が耳に入ってくる。
「ん?」上の空だった未茉は斎藤に視線も戻すと、
「入学してから席変えてなかったろ。そろそろ変えようか。気分転換によし、席替えだっ!」
「え…」思いもよらない展開に言葉が漏れてしまったが、
「よっしゃっーせぇーせぇーするわっ!!」
未茉は結城を見ながら言うと、
「あぁ?こっちの台詞だばぁーかっ!!隣にいびきかくうっせー女がいないと思うとせいせいするわっ!」
「ムッ、こっちこそ人の漫画やパン横取りするクソガキと離れられてせえせえするっつーんだ!!」
「アホか!!それはてめぇーだろっ!!」
二人の終わりのない言い合いが始まり、
「あーっ!お前らうるせぇ!!さっさと変えるぞっ!!じゃまず女子は廊下に出ろー!!」
‘ガルルッ’と未茉は猛犬のように睨みあい、鼻息荒くして席を立ち廊下に出た。
ーーピシャッ!と教室の扉は閉められて廊下に女子は追い出された。
その間に男子は好きな席を選ぶお見合い方式の席替えだ。



