「じゃ言うけどよ、友達だったら言いたいことあんならはっきり言えよなっ!!」

「ん?」

唇を噛み締めて、翔真を見上げて睨む彼女に、

「えっと…その言葉は、そのままそっくり返すけど…」
何が言いたいのか分からず戸惑っていたところへ、


「お取り込み中失礼するけど。痴話喧嘩なら部活終わってからにしてくれる?」

通りかかったキャプテンがため息つきながらコンコンと壁を叩きながら二人の会話にストップをかけた。


捕まれた手が緩みするりと離れると、さっさと未茉は体育館へと走り戻り始める。


「原因は君か。全く」
やれやれとキャプテンがポンッと翔真の肩を叩く。

「そう…だとしたらすみません?」
またまた何が言いたいのか分からずも彼らしくスマートに謝るも、

「何やらかしたのよ。今日の練習中ずっと苛々しちゃって、個人プレー連発で白石のおかげで二、三年ボロ負けよ。」
「あははっ。」
「ご機嫌直してよね。これキャプテン命令。」

「分かりました。」
「あ、なになんか余裕じゃん。ちょっと憎らしいんだけど!」
「そんなことないですよ。」

と言いつつもやはり余裕の伺える翔真の表情だった。