「わぁーいっ!一番乗りっ!!やったねっ!!」

頂上にたどり着き、やっほぉぉぉおおおと山びこする声を未茉は楽しんでいて、

(あ・・・足がガクブル・・・)
必死に彼女についていったキタローは実は運動音痴で、這いつくばるように頂上に辿り着くも、膝が笑い下る体力に不安を残したのであった・・・。


「さぁっ!!飯だ飯!!!食べよーぜっ!!お腹空いたー!おやつもいっぱいあるよ!」
ママが作ってくれた弁当と、お菓子を広げるも、

「お口に合えば…」

そう控えめながらキタロー特製のフレンチの重箱弁当をだした。
「ぬぁっ・・・!!ぬぁんだこれぇ!!!」
キラキラと宝石箱のように輝くのは、エビやローストビーフ、シーフードの前菜など、一流シェフ顔負けの料理に、目から鱗の未茉は大声をあげてよだれを垂らす。

「これキタローが作ったの!?」
「うん…」
「凄すぎ!!!いっただきまぁーす!!!」
我慢ならない未茉は、口いっぱいに料理を頬張り、

「うまっ!!!なにこれ!?うますぎて飲み込めない!!でも飲み込まないと次が食べれない!!」

美味しいっと叫びながら、ガツガツと無我夢中で口の中に運んでく。
「…」
一生懸命未茉を喜ばそうと腕によりをかけたが、こんなに喜んでくれるとは思わなくて、感動してキタローはその笑顔だけで満たされていた。