(たっけードリブルだな。簡単に狙える。)

ぴったりとマークしながら、隙だらけのそのドリブルを未茉はすぐにカットインに成功し、すぐに鈴木は戻るも追い付けない。
「早ッ…!?」
部員達も目にも止まらぬ早さのキレッキレのドライブに時が止まる。


「バカ翔真!女子ばっか見てんじゃねー!」
ポカッと二年の橘にごつかれ、
「ははっすみません」舌を出して笑った。
(分かりやすっ…。以外と面食いかよ。)
そんな翔真を見て結城は苦笑いを浮かべた。


「うーん。やっぱ高校生だからスタミナはありますね。」
ありがとうございます。と握手を交わしながら未茉は感想を述べた。

結局10本勝負の1対1は、未茉のストレート勝ち。
鈴木は一本も決められなかった。
「嘘……」
(私の方が10㎝も高いのに…ゴール下簡単にかわすなんて…しかも相手は昨日まで中学生だった一年に…!!)
まるで歯が立たない信じられない完敗にただただ本人は呆然と立ち尽くすし、部員達は唖然とする。

(鈴木だって区内選抜に選ばれたことある程の実力者だ…)
生で見た全国レベルに、監督でありながら鳥肌がたった。


「とんでもない戦力が加わった今年の明徳学園のバスケ部は、レベルが違う。」