「ぅわ、ごめーー」

勢いよくぶつかってきた未茉の体を支えるように背中に手をやると、

「いってぇー!!」

未茉は鼻を押さえながら、ぱちっと目を開けると、屈んで抱き抱えた翔真の顔と超至近距離で、

「あれ?」

((キスかっ!?))とクラス中のみんなはドキドキしながら見てるも、

「もーっ!!気を付けろよなぁー翔真ぁ!!」

完全にぶつかってきたのは未茉なのに、痛みで翔真のせいになり、キッと睨みながら彼を見上げると、

「え、メイクしてるの未茉ちゃん。初めて見た。」
「そーだよ。もう翔真の体痛いっ!コンクリートみてぇ!」

「コンクリート・・」

「ぶっあははは!!」
おもしれーなっお前らと言わんばかりに結城は席に戻ってきた二人に笑った。

「何、屋上で寝るんじゃなかったのか?」
「寝ようとしたらカップルがいっぱいで先客だらけだった。」

「あっ。」

結城が翔真の胸元のシャツを指差して笑った。

「ん?」

リップグロスを付けていた未茉のキスマークがついてしまったのだ。

「本物だったらなぁ。いいのになぁ……」

前に座る未茉の後ろ姿を見つめながら呟くと

「コンクリート…ぷぷっ」と思いだし笑いする結城を翔真はムッと睨んだ。