大成のベンチに田島は温存されたまま、3Qはスタートした。
「前原さんっ!!パス」
前原にパスを要求するが、ディフェンスを交わし中へ走る未茉を無視して、新垣にパスを回してスリーポイントシュートを打つも、
「あ…!!」
(外れる…!)
未茉もリバウンドを取りに行くも、静香に取られてしまい、逆に点を決められてしまう。
「こっから逆転やで!!田島さんおらんくても明徳なんかうちらだけでも余裕や!!」
静香の言葉に傾きかけていた流れは、大成に再び自信を取り戻させる。
「「おおっ!!」」
タイムアウトを取り大成はいい流れでゲームを再開できそうだったが、一方明徳は、
「前原さん、あたしを信じてパス回してくれ!!」
二年でガードの前原は、未茉にパスを一切回さなかった。後半に入り、それが仇となりリバウンドを取られ失点を重ねていた。
「…別に負けたっていい。遅刻してきたあんたがいないと勝てないなんて、試合に出れないメンバーだってバカらしくてやってられない。」
目を見ようともせずそう告げられ、ベンチの二年も同じような顔をしていた。
「遅刻したのはわりぃと思ってるけど負けたっていいって言い方は」
ムカッとした未茉が反論しようとした時、
「何言ってるの?前原。」
鈴木がいつになく怒った表情で前に出た。
「何のために今まであなたが二年を引っ張って毎日練習してきたの?勝つ為じゃないの?」
「…」
「こんなに必死にくらいついて、頑張ってるのに負けてもいいの?試合に出れないメンバーの分も戦う、勝つ。負けてもいいなんて気持ち持ってコートに立つなんて仲間に失礼よ。」
「鈴木さん…!!」
その真っ直ぐな姿勢で貫禄ある言葉に部員達はみんな胸を打たれていた。
前原は何も言わずにコートへ戻っていった。



